セリエA第4節の注目のカード、イタリア・ダービーはユベントスがリヒトシュタイナー選手のゴールで先制するも、2-1 で逆転負けを喫しました。
両チームの先発選手とフォーメーションは以下のとおりです。
FC Internazionale [4-2-3-1] |
Juventus [3-5-2] |
|
---|---|---|
GK | 1: ハンダノビッチ | 1: ブッフォン |
DF | 33: ダンブロージオ 25: ミランダ 24: ムリージョ 21: サントン |
4: ベナティア 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
MF | 6: ジュアン・マリオ 17: メデル 87: カンドレーバ 19: バネガ 23: エデル |
26: リヒトシュタイナー 6: ケディラ 5: ピアニッチ 22: アサモア 12: アレックス・サンドロ |
FW | 9: イカルディ | 21: ディバラ 17: マンジュキッチ |
インテルはバネガ選手をトップ下に起用する 4-2-3-1 を選択。SBには高さのあるダンブロージオ選手とサントン選手が入り、両翼にはカンドレーバ選手とエデル選手が起用されるイタリア色の強いメンバーが選ばれました。
ユベントスは 3-5-2 を継続。最終ラインはバルザーリ選手ではなくベナティア選手が入り、中盤はアサモア選手が起用され、マンジュキッチ選手が公式戦3試合ぶりの先発となりました。
強力な点取り屋を要する両チーム同士の対戦ということもあり、中盤での攻防が激しい展開となります。インテルはバネガ選手が下り目となり、ボランチはメデル選手とジュアン・マリオ選手が縦関係になる 4-3-3 にも変化させ、構成力の差で良いリズムを作り出します。
ユベントスは25分にアクシデント。エデル選手のマークについてベナティア選手が左太ももを痛め、バルザーリ選手と交代。この時点で交代枠を1枚消費してしまいます。
それでもユベントスは33分にアレックス・サンドロ選手の突破から中央でフリーになっていたケディラ選手がヘディングシュート。しかし、力なく飛んだボールはハンダノビッチが難なくキャッチした。
逆にインテルはその直後にイカルディ選手がキエッリーニ選手に競り勝ち、右足でシュートこれはファーサイドのポストをかすめ、枠外へと飛んでしまう。結局、両チームとも前半はスコアを動かすことはできず、0-0 で折り返します。
後半もインテルが良い形で試合を進めます。しかし、先制したのはユベントス。66分にアレックス・サンドロが突破からクロスを供給すると飛び込んだのはリヒトシュタイナー。サントンの背後から右足で決め、アウェイのユベントスが先手を取ります。
ホームのインテルはその2分後、獲得した左CKからイカルディが頭で押し込み、すぐに同点に追いつきます。勢いに乗ったインテルは78分に逆転に成功。
アサモアの軽率なバックパスを拾ったカンドレーバがイカルディに浮き球のパスを送り、最後は右足のアウトサイドで中央へクロス。これをファーサイドから勢い良く走り込んだ途中出場のペリシッチが頭で押し込み、試合をひっくり返します。
ユベントスはキエッリーニ選手を下げ、ピアツァ選手を投入して 4-3-3 にスイッチして猛攻に転じるも、インテル守備陣を崩すことはできず。試合は 2-1 で終了し、今シーズンの初黒星を喫することとなりました。
試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は以下のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
この試合での2失点は防ぎようのないものだった。しかし、リーグ戦4試合でCKから3失点は守備陣の致命的な弱点となっている事実も浮き彫りになっている。
DF: ベナティア 6.0
良い形で試合に入っていたものの、エデルをマークした際に負傷し、交代を余儀なくされた。不本意な内容だったと言えるだろう。
DF: ボヌッチ 5.5
流れの中ではイカルディを消していたものの、セットプレーでやられてしまった。相手のプレスで普段のパスコースが消された際に選択する長いレンジのパスコースが読まれ、持ち前のフィード能力が裏目に出てしまっている。
DF: キエッリーニ 5.5
フィジカルの強さでカンドレーバの推進力を弱め、ピンチを未然に防いでいた。しかし、失点とはならなかったものの、自らのミスからピンチを招くことも。ムラの多い内容だった。
WB: リヒトシュタイナー 6.5
ミランダへのファールでイエローをもらったことなど忘れられるほど奮闘した。上下動を繰り返し、得点を決め、最後はガス欠に近かったが力を振り絞っていた。
MF: ケディラ 5.5
ゴール前に顔を出す機会が多く、昨シーズンよりコンディションが良いのは見て取れる。しかし、攻から守への切り替えが遅くなる一方であることはマイナスだ。カウンターを受けた際に戻るスプリント数が明らかに少なくなっている。
MF: ピアニッチ 5.0
能力が一級品であることはプレーで証明したが、レジスタは彼のポジションではない。正確なキックとボールタッチがあるのだから、ケディラやアサモアの位置かトップ下で起用すべきだ。
MF: アサモア 4.5
シーズン序盤は良いパフォーマンスを見せていたが、雑さが目立ち、チームの連動性に支障をきたしている。アレックス・サンドロと試合中にポジションチェンジをした方が良いプレー内容となるのではないだろうか。
WB: アレックス・サンドロ 6.5
スプリントに加え、突破力にクロスの精度と攻守両面で良い働きをした。守備でも信頼を得たこともあり、レギュラーの地位を確固たるものにしたと言えるだろう。
FW: ディバラ 5.0
プレーしたい危険なエリアをメデルに消され、持ち味を発揮することができなかった。決定的な仕事をできていない焦りから “らしくないプレー” が続いており、この気負いを解消することも求められる。
FW: マンジュキッチ 6.0
昨シーズン序盤戦に置かれていた状況と似ている。ポストプレーで孤軍奮闘するも、味方のフォローは得られず。プレスに奔走するも、自らの得点機に恵まれずとフラストレーションが溜まる状況でも自らの役割はきちんと成し遂げた。
【交代選手など】
DF: バルザーリ 5.5
25分に負傷したベナティアと交代し、出場する。対人守備の強さを発揮していたものの試合結果には結びつかず、残念な夜となってしまった。
FW: イグアイン 6.0
マンジュキッチとの交代で74分から出場機会を得る。左サイドからのクロスでヘディングシュートが1回あった以外は効果的な働きをすることができず。そもそも、ボールに触れる機会すら少なかった。
FW: ピアツァ ー
キエッリーニと交代し、80分から出場。システムを 4-3-3 に変えた左ウィングに入り、攻撃の幅を取る意図を見せるも、周囲との理解不足は否めず。持ち味を出し切るまでには至らなかった。
アッレグリ監督 5.0
マルキージオ不在による影響が如実に現れている中で効果的な対策を打ち出すことができなかった。中盤での構成力に欠け、ピアニッチは1列前でのプレーのようにポジションを空けたことで相手にスペースを与えてしまっていた。ここを修正できなければ、前線の並びをどう変えようと攻撃が停滞することは目に見えている。
タリアベント主審 6.0
前半はユベントスだけ、後半はインテルだけがカードを受けていた。イエローに値しないプレーも両チームともにあったが、ダービーであることを考えればフェアな判定だったと言えるだろう。