ミッドウィークに行われたセリエA第23節ユベントス対ジェノア戦はオウンゴールでユベントスが勝利し、クラブ記録のリーグ13連勝を達成しました。
両チームの先発選手およびフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [3-5-2] |
Genoa CFC [3-4-1-2] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: ペリン |
DF | 4: カセレス 19: ボヌッチ 15: バルザーリ |
24: ムニョス 4: デ・マイオ 5: イッツォ |
MF | 16: クアドラード 20: パドイン 8: マルキージオ 10: ポグバ 33: エヴラ |
3: アンサルディ 31: ジェマイリ 30: リゴーニ 34: ガブリエル・シルバ 18: ヌチャム |
FW | 21: ディバラ 9: モラタ |
11: チェルチ 19: パヴォレッティ |
ホームのユベントスは 3-5-2 を継続。先発メンバーにパドイン選手が抜擢されたことが最大のサプライズであり、両翼はクアドラード選手とエヴラ選手の組み合わせが選択されました。
一方、アウェイのジェノアは 3-4-1-2 を選択。守備時にマンツーマンとなることを念頭に入れ、気合い十分で試合を迎えます。
試合はキエーボ戦での良い流れをユベントスが持ち込むことに成功し、好スタートを切る。しかし、パドイン選手が上手くビルドアップに絡めず、ぎこちなさが見え隠れする。
ジェノアはユベントスがボールを持った際に DF と MF がマンツーマンでパスコースを消し、徐々に試合の流れを掴み始める。そして、ユベントスにとって悪い流れの中、一瞬の隙から均衡が崩れる。
30分、前がかりになったジェノア守備陣の裏をクアドラードが右サイドから突破。中央のモラタへの折り返しをデ・マイオがスライディングで何とかクリアしようとするも、ボールはサイドネットを揺らし、ユベントスが先制に成功した。
ユベントスは40分過ぎに筋肉系の負傷を訴えたエヴラの交代を強いられたが、前半は 1-0 のリードで折り返した。
後半はユベントスの甘さが目立つ展開が続く。開始早々にチェルチが強烈な枠内シュートを放ち、肝を冷やすことを強いられる。攻撃の歯車が噛み合ないユベントスはモラタに代え、ザザを投入し、前線からのプレスを強化する。
すると、交代直後の54分にザザに決定機が訪れる。ペリンと1対1の絶好機を得るもシュートはペリンに読まれ、完璧にセーブされてしまう。
60分にはカセレスを負傷で失うアクシデント。ピッチを叩き、涙を浮かべながら担架に乗せられて去る姿は重傷であると選手本人が自覚していたと思われる。その後は両チームとも決定機を作り出すまでには至らず。
90分過ぎにザザが後ろからスライディングタックルで一発退場になるも、追加時間を何とか守り切ることに成功し、ユベントスは辛くも勝利を手にした。
試合に出場したユベントスの選手/監督に対する採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
肝を冷やされたシーンは後半開始早々のチェルチの1本だけだったが、それについても理想的な形で処理した。強固なディフェンスを維持できており、それが十分な結果である。
DF: カセレス 6.0
良いパフォーマンスだっただけに呪われているとしか言い様がない。怪我の詳細は間もなく判明するだろうが、もしアキレス腱断裂などの重傷であれば、このままシーズン終了を迎える可能性すらある。
DF: ボヌッチ 5.5
縦パスの精度やソリッドな守備は疑いの余地がない。(失点にはならなかったが)2試合連続で凡ミスからピンチを招いていることはプレスが持ち味の2チームとの対戦に不安を抱かせるものだ。
DF: バルザーリ 6.5
パベロッティの自由を制限し、カバーリングも的確に行うなどジェノアの攻撃を身を張って防ぐことに貢献した。
WB: クアドラード 7.5
持ち前のクイックネスによる違いを試合全体を通して体現し、得点に深く関与した。終盤にはカウンター潰しで前線からフルスプリントで戻るなど注文をつけるプレーを見つける方が難しい出来であった。
MF: パドイン 5.5
ワイルドカードに位置づけられる選手の動きとしては申し分ない。献身的に動き、ボールを奪い取り、90分戦い続けた。だが、ボールを引き出したり、預け所になれなかった分だけがマイナスの印象を強くしている。
MF: マルキージオ 5.5
守備やボールの散らしは普段と変わらず、一貫したプレーとなっていた。だが、前線に動いたパドインへのパスが選択肢にないとジェノアに見透かされ、苦境に立たされたことを反省材料にする必要がある。
MF: ポグバ 6.0
キエーボ戦の内容と比較すると確かに物足りなさを感じるが、それでも力強いプレーが継続できていた。攻守で代えの効かない存在であるだけにピークをどこに合わせるかだけが焦点だろう。
WB: エヴラ 6.0
左サイドを上手く自分のものにしていたが、得点が決まった時間帯でベンチと会話していたことから交代を要請していたのだろう。どのぐらいの離脱になるのかが気がかりだ。
FW: モラタ 5.0
クアドラードのクロスがデ・マイオの足に当たらなければ、彼の得点になっていた可能性が高い。そうなっていれば、プレーの質も変わり、途中交代となることもなかっただろう。切り替えが求められる。
FW: ディバラ 6.0
中盤の位置から前線にドリブルで何度もボールを運ぶなど、ジェノア守備陣に混乱を招いていた。左足の切り返しから右足で打てるチャンスがあったが、ザザへの折り返しを選択したことだけが悔やまれる。
【交代選手など】
WB: アッレクス・サンドロ 6.5
41分に負傷したエヴラに代わり、急遽出場。突然の出場だったにも関わらず、上手く試合に入り、守備の安定やサイドからの突破でチームに貢献した。
FW: ザザ 4.5
モラタに代わり54分から出場機会を得る。2度の絶好機を得たが、1度目はペリンに止められ、2度目は副審がオフサイドとミスジャッジをしたことで逃した。追加時間には不用意なタックルで一発退場。空回りの典型例。
DF: ルガーニ 6.0
63分にカセレスと交代でピッチに登場。カセレスからのタスクを上手く引き継ぎ、上々のプレーを見せた。足元の技術は確かなのだから、縦パスを出すタイミングと強弱、浮き球で捨てる位置の見極めを向上させると見違えるような選手になるはずだ。
アッレグリ監督 6.0
負傷交代が2選手とパフォーマンスが悪い選手を交代させたのだから、試合中の采配は的確だった。前半はマンツーマンで組み立てが停滞したが、ナポリやバイエルンがこの手法を使って来ることが予想されるだけにどういった策を用意するかが真骨頂と言えるだろう。
ルッソ主審 5.0
ザザを退場させた判定は正しいが、全体的にジャッジの位置が離れすぎである。また、接触プレーでの判定基準が試合終盤まで定まらなかったこともマイナス。