ローマのスタディオ・オリンピコで行われたコッパ・イタリア準々決勝はアウェイのユベントスがリヒトシュタイナー選手のゴールでラツィオを下し、インテルの待つ準決勝に駒を進めました。
この試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
S.S. Lazio [4-3-3] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 99: ベリシャ | 25: ネト |
DF | 29: コンコ 13: ビシェヴァツ 33: マウリシオ 26: ラドゥ |
4: カセレス 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
MF | 21: ミリンコビッチ 20: ビリア 19: ルリッチ |
26: リヒトシュタイナー 27: ストゥラーロ 8: マルキージオ 10: ポグバ 12: アレックス・サンドロ |
FW | 87: カンドレーバ 11: クローゼ 14: ケイタ |
7: ザザ 9: モラタ |
ラツィオはリーグ戦で主に使用する 4-3-3 を選択。展開によってはビリア選手を中盤の底に置き、ワイドの選手が2列目に下がる 4-1-4-1 も併用可能な戦術でユベントスを迎え撃ちます。
ユベントスもリーグ戦で結果を出している 3-5-2 を選択。選手の入れ替えは最小限に届け、アンカーの位置にマルキージオ選手が起用されたことが(ある意味)サプライズと言える起用を行いました。
なお、コッパ・イタリア準々決勝ラツィオ対ユベントス戦はイタリア『Rai Sport』がネットで無料公開していますので、興味がある方はこちらからどうぞ。
試合は一発勝負をホームで戦えるラツィオが積極的な入り方を見せる。13分にはケイタが自陣からドリブルで持ち込むも、ボヌッチがクリアし、コーナーに逃れる。
対するユベントスも、20分を過ぎたあたりからザザやポグバにシュートチャンスが訪れるも、得点までには至らない。先制点が大きな比重を占めていることもあり、両チームとも前半は決定機を多く作れないままゴールレスで終了した。
後半に入ると、ユベントスが地力の差を見せつけ、ラツィオゴールを脅かす。51分にザザとのコンビで抜け出したモラタがシュート。ベリシャがストップしたこぼれ球をザザが無人のゴールを狙うも、ボールは枠を捉えない。
それでも、66分にザザのシュートがポストを叩いたこぼれ球をリヒトシュタイナーが押し込む。ベリシャがライン上でかき出したように見えたが、ゴールラインテクノロジーは得点を認定。ユベントスが均衡を破ることに成功した。
スコアが動いたことでラツィオは同点狙いで攻撃に重きを置いた交代策を実行。それに対し、(過密日程を意味する)延長戦を避けたいユベントスも追加点を狙い、前線の選手を入れ替える。
だが、両チームとも得点を奪うことはできず、試合は 0-1 で終了し、ユベントスがインテルの待つ準決勝(1st レグ:1月20日@トリノ)へと進むこととなった。
試合に出場したユベントスの選手/監督への採点は次のとおりです。
GK: ネト 6.0
セーブを強いられる機会は少なかった。だが、GK からの展開力など求められる能力の片鱗は見せれていた。
DF: カセレス 6.0
3バックの一角としてクリーンシート達成に貢献した。内容も良く有益な選手であることを改めて示した。
DF: ボヌッチ 6.5
クローゼの脅威を消し、コンビを組む両 CB のカバーも行い、求められた任務を着実に遂行した。
DF: キエッリーニ 5.5
守備能力に疑いはないが、タックルが少し遅れたことでカードを貰ってしまったことだけが余計であった。次のローマ戦に向けた良い予行演習となっただろう。
WB: リヒトシュタイナー 7.0
右サイドでバランスを取るとともに、攻め上がりのタイミングも良かった。得点はゴールラインテクノロジーの助けは得たものの、エリア内にまで顔を出していた献身性が報われた証拠だ。
MF: ストゥラーロ 6.5
中盤でこぼれ球を回収し続けるなど持ち味を余すところなく発揮した。ケディラという手本を参考に長所を伸ばして行けば、アッレグリの頭痛の種となるだろう。
MF: マルキージオ 6.5
今日はディフェンスの前で盾として機能したことが評価されるだろう。また、横への散らしではなく、縦へのスルーパスに重きを置き、前線2人の持ち味を引き出せていた。
MF: ポグバ 6.0
いつも通りの存在感を発揮し、相手の脅威となっていた。得点にこそ結びつかなかったが、彼自身のシュートにも精度と威力があり、悲観的になる理由はどこにもない。
WB: アレックス・サンドロ 6.0
攻め上がりという点においては効果的な面を複数回見せることができていた。その反面、守備ではやや手を焼いた感があり、差し引きゼロが適切な評価と言えるだろう。
FW: ザザ 6.5
前線からプレスをかけ続け、相手守備陣に自由にボールを保持させる時間を与えなかった。先制点のきっかけとなったシュートはあと数センチ巻くことができていれば、彼のゴールとなる美しい軌道を描いたものだった。
FW: モラタ 6.0
献身的に動き、シュートまでの一連の流れはすばらしいものだった。ただ、ゴールの枠内に透明の壁がそびえ立っているようで、彼の得点にならないことが不幸だとしか言い様がない。
【交代選手など】
FW: マンジュキッチ ー
76分にモラタ交代で出場。スペースへの動き出しや、チェーシングでチームに貢献した。追加点を上げる機会に恵まれたとは言えない内容だった。
WB: クアドラード ー
リヒトシュタイナーと交代で80分から出場。最終ラインと連携して守備を固めるとともに、前への推進力でラツィオの左サイドを何度も突き、脅威を与えることができていた。
FW: ディバラ ー
90分にザザと交代で出場。この試合は休養という位置づけだっただろう。
アッレグリ監督 6.5
一発勝負という舞台で厄介なチームを相手に良い結果を持ち帰ることができたと評価できる。もしエルナネスを起用していれば、守備の綻びが先に生じていたかもしれない。メンバーを代えすぎず、チームのクォリティを維持することを優先した決断はすばらしいものだった。
Lazio - Juventus 0-1 | La partita - VIDEO - Calcio - RaiSport