トリノダービーとなったコッパ・イタリア5回戦が行われ、ユベントスはザザ選手などのゴールで 4-0 と快勝し、準々決勝に駒を進めることに成功しました。
なお、準々決勝ではウディネーゼとラツィオの勝者と対戦する組み合わせとなっています。このトリノダービーに先発した両チームのメンバーは次のとおりです。
Juventus [3-5-2] |
Torino FC [3-5-2] |
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GK | 25: ネト | 28: イチャソ |
DF | 24: ルガーニ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
5: ボヴォ 25: グリク 24: モレッティ |
MF | 26: リヒトシュタイナー 6: ケディラ 8: マルキージオ 10: ポグバ 12: アレックス・サンドロ |
33: ブルーノ・ペレス 6: アックア 14: ガッツィ 16: バセッリ 3: モリナーロ |
FW | 7: ザザ 9: モラタ |
11: マキシ・ロペス 9: ベロッティ |
ユベントスは好調さを維持する要因となっている 3-5-2 を選択。ネト、ルガーニ、ザザと出場機会に恵まれていない選手たちにチャンスを与える人選で試合を迎えます。
一方のトリノもユベントスと同じ 3-5-2 をチョイス。前節サッスオーロ戦が霧で延期となったため、リーグ戦第11節で対戦したときから3選手が入れ替え、最小限のターンオーバーで挑むこととなります。
なお、試合映像はイタリア『RAI SPORT(ライ・スポルト)』からフルで見ることが可能です。
試合はリーグ戦と同じくダービー特有の激しさが目立つことに。一発勝負であることから、両チームとも相手に先手を取らせたくないという思いから、決定機を作り出すことだけは許さない。
得点が生まれたのは27分。アレックス・サンドロからの縦パスをザザが左サイドのモラタに展開。モラタが DF 2人を抜き、中央に供給されたクロスにザザが左足でダイレクトに合わせ、ユベントスが先制に成功する。その後、ユベントスは手堅く試合を進め、前半は 1-0 で終えた。
後半開始早々、試合の行方を決定づけるプレーが起きる。48分にカードを受けていたモリナーロがリヒトシュタイナーに対し、自陣深くでスパイクの裏を見せ、スライディングタックル。主審のダニエレ・ドベリは迷わずカードを提示し、トリノは残り時間を10人で戦うことを余儀なくされた。
そして、プレー再開となる FK から追加点がユベントスに生まれる。マルキージオのクロスをトリノ守備陣がエリア外に蹴り出そうとするも、ボールはキエッリーニの足に当たり、ザザへの絶好のループパスとなる。微妙な位置にいたザザだったが、オフサイドの笛はならず、ザザは右足で打つと見せかけて左に持ち直し、最後はグリクの股下を抜くゴールでドッピエッタ(1試合2得点)を達成した。
試合はトリノが1人少なく、2点差となったため、ユベントスが落ち着いてボールを保持し、試合をコントロール下に置く。
それでも、チャンスがあればどん欲に得点を狙い、73分にはモラタからのパスを受けたディバラがエリア外から豪快に突き刺し3点目。そして、81分にはモラタが得た FK をポグバが豪快にゴール右上に蹴り込み4点目を決め、終わってみれば 4-0 と大差をつける結果となった。
この試合に出場したユベントスの監督/選手への採点は次のとおりです。
GK: ネト 6.0
良い GK であることをアピールするには難しい試合だった。だが、守備陣と連携してクリーンシートを達成できたことは大きく評価されることだ。
DF: ルガーニ 6.0
初先発ですばらしい印象を残した。やる気に満ちあふれたFWのいるダービー戦で試合展開を冷静に読んでいた。
DF: ボヌッチ 6.0
ベロッティを試合から消し去り、トリノの攻撃を分断することに成功。オフサイドで取り消しになったゴールだけが残念だった。
DF: キエッリーニ 6.5
マキシに試合でのインパクトを残させず、DF 陣の中で存在感を放っていた。
WB: リヒトシュタイナー 6.5
攻守にバランスをとり、適切なタイミングでオーバーラップも行っていた。モリナーロを退場に追い込み、試合をある意味決定づける役目を果したと言えるだろう。
MF: ケディラ 6.0
フィオレンティーナ戦と比べ、ボールタッチに余裕が生まれ、周囲との連携も良かった。クアドラードと組み合わせた際に今日のようなプレーができるかが今後の評価項目となる。
MF: マルキージオ 6.5
良い内容を維持している。ここ数ヶ月のプレーから見れば、シーズン序盤は明らかにコンディションが整っていない中で強硬出場していたと思われる。
MF: ポグバ 6.5
肩の荷が下りたような軽やかで力強いプレーを存分に見せつけていた。FK で狙ったところにボールを飛ばし、ゴールを決めたということは感触を取り戻す絶好のきっかけになるだろう。
WB: アレックス・サンドロ 6.0
ブルーノ・ペレスとの対峙であったが、リーグ戦ほど自由にさせず、実力差を見せつけることに成功。オーバーラップ、ポゼッション、カバーリングなど着実な進歩が見て取れる。
FW: モラタ 6.5
足りなかったのは自身のゴールだけ。チームのために献身的に走り、クロスでお膳立てし、FK も獲得した。決定力を取り戻せば、アッレグリの頭痛の種になることは間違いない。
FW: ザザ 7.0
CF としてゴール前で決定的な仕事ができるということを先制点をあげることで証明。舞台こそカップ戦だったが、相手がトリノであったことはリーグ戦でも試してみる価値ありと思わせるだけのものはあっただろう。
【交代選手など】
FW: ディバラ 6.5
53分にザザと交代で出場。中盤に下りて、ビルドアップに加わり、3点目を決めるなど期待される役割を十分に果した。
MF: パドイン ー
ケディラと代わり、80分から出場。ミスをすることなく、試合を終わらせることに貢献。
MF: エルナネス ー
87分からマルキージオとの交代で出場機会を得る。怪我から復帰し、緊張感のある試合で一定の試運転ができたことはプラスと言えるだろう。
アッレグリ監督 6.0
3-5-2 でもトリノの3バックに圧力をかけ、狙い通りに試合を運べたことは大きい。ザザが2枚目のイエローを受けるリスクが高いと見るや、交代に踏み切るなど的確な判断を下していた。