ボルシア・パルクで行われたチャンピオンズリーグ第4節ボルシアMG対ユベントスの一戦はリヒトシュタイナー選手のゴールで追いついたユベントスが退場者を出しながら 1-1 で終えました。
この試合に先発した両チームのメンバーは以下のとおりです。
Borussia MG [4-4-2] |
Juventus [4-3-1-2] |
|
---|---|---|
GK | 1: ゾマー | 1: ブッフォン |
DF | 6: ノルトヴェイト 3: クリステンセン 15: ドミンゲス 17: ヴェント |
26: リヒトシュタイナー 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 33: エヴラ |
MF | 16: トラオレ 8: ダフード 34: ジャカ 19: ジョンソン |
27: ストゥラーロ 8: マルキージオ 10: ポグバ 11: エルナネス |
FW | 11: ラファエウ 13: シュティンドル |
21: ディバラ 9: モラタ |
ホームのボルシアMGはリーグ戦と同じメンバーを選択。トリノでの第3節から変わった所は負傷したコルブ選手の代わり、右 SB にボランチが本職のノルトヴェイト選手が起用されたことのみです。
対するユベントスはサイド攻撃で崩せなかった反省から、4-3-1-2 で中央でボールを保持し、ショートパスで打開を狙う選手起用を行いました。その中でも最大のサプライズは不整脈による心臓手術を1ヶ月前に受けたリヒトシュタイナー選手の先発出場だったと言えるでしょう。
試合はユベントスが動きの良さを見せ、セットプレーを得るなど押し込む形でスタートします。対するボルシアMGはユベントスの攻撃に慣れ始めると、プレスを効果的に使い分け、遅攻の時は自陣左サイドに人を集めて攻めを展開する形を見せます。
これはユベントス右 SB リヒトシュタイナーのコンディションが上がり切っていないだろうという予測と、ボルシアMGに本職の右 SB の人材が離脱中である事情が要因になったと言えるでしょう。
試合が動いたのは18分、ボルシアMGはリヒトシュタイナーがチェックのために空けたスペースに素早く展開し、中央にグラウンダーのクロス。これをキエッリーニが左足に当て損ない、ボールはラファエウの足元へ。エヴラがシュートブロックに戻るも、ファーにいたジョンソンにラストパスを通され、右足でゴール。
先制し勢いに乗るボルシアMGはハイプレスからボール奪取し、ゴールに迫るもブッフォンの壁は破れない。対するユベントスもセットプレーからの空中戦に得点機会を見いだすが、こちらもゾマーの壁を破ることはできない。
1-0 で前半終了かと思われた44分にユベントスが同点弾をあげることに成功する。守備に追われていたリヒトシュタイナーが初めて相手エリア付近までオーバーラップする姿を見つけたポグバが右足アウトサイドで浮き球のパス。それを右足のボレーでサイドネットを揺らし、先発起用に応えた。
後半は同点に追いついたユベントスが調子を取り戻し、敵地での勝利を目指し攻め込む形で時間が経過する。しかし、53分にルーズボールを競り合ったエルナネスがドミンゲスに足裏を見せた両足タックルを見舞い、一発退場。ここから、ユベントスは勝ち点1を持ち帰ることにプランを変更し、カテナチオの準備に入る。バルザーリを投入し、実質5バックで最後まで守り切り、何とか勝ち点1を獲得することに成功した。
この試合に出場したユベントスの選手/監督への採点は以下のとおりです。
GK: ブッフォン 7.0
勝ち点1をもぎ取るためのビッグセーブを連発。文句のない働きであった。
DF: リヒトシュタイナー 7.0
彼が先発するとは誰も思っていなかっただろう。守備でヴェントに苦しめられていたが、見事な同点ゴールを決め、自らの復活を世界中にアピールした。
DF: ボヌッチ 6.0
中央よりも右サイドのケアに追われた試合だった。ソリッドな面は試合を通して見せることができていたので、評価はされるだろう。
DF: キエッリーニ 5.0
センターに位置することが多かったが、ボルシアMGにプレゼントを送る結果となってしまった。全体的に体が重く、ヘディングシュートも枠を捉え切れず消化不良の内容だった。
DF: エヴラ 6.0
安定感のある守備と前線への攻撃参加でも堅実な面を見せていた。
MF: ストゥラーロ 6.0
ケディラのプレーに刺激を受けたのかボールタッチに柔らかさと堅実さが生まれていた。運動量は今ひとつだったが、エルナネス退場後はプレー範囲が増え、非常に良くなった。
MF: マルキージオ 5.5
ハイプレスを受けた際にボールの預け先がなくなり、苦しみ続けた試合となった。中盤でタックルにいくも、あっさりと前を向かれては防戦一方になるのは当然である。
MF: ポグバ 7.0
リヒトシュタイナーへのラストパスはまさに10番の仕事だった。気負いも解消されつつあり、昨シーズンみせた遊び心を残したキレのある動きを取り戻している。
OMF: エルナネス 4.0
チームの流れがよかっただけに、退場になったタックルの敢行が時間的にも場所的にも余計だった。前半から流れに乗れていないこともあり、起用方法を考える必要があるだろう。
FW: ディバラ 5.5
ファールにならないギリギリのラインでボルシアMGの守備陣に上手く潰された。ただ、彼の交代後、ボルシアMGの守備陣が混乱に陥ることは皆無だった訳であり、それを首脳陣は理解する必要がある。
FW: モラタ 5.0
チャンピオンズリーグでの『魔法』は切れたようだ。多くの時間帯で消えており、効果的でもなかった。
【交代選手など】
FW: クアドラード 5.5
63分にディバラに代わり、途中出場。ディフェンス面では奮闘したが、ロングカウンターでは連携面が取れておらず、得点機を作り出すことすら困難だった。
DF: バルザーリ 6.0
モラタと交代で73分からの出場。試合を硬直させ、終わらせるというディフェンス任務を完璧に実行したと言える。
MF: レミナ ー
ストゥラーロに代わり87分からピッチへ。ボールを追い回し、時間を進めるという役割を遂行した。
アッレグリ監督 5.5
ハイプレス+カウンターを基本戦術に置くことが戦前から分かっているチームの狙い通りに試合を進められる結果となった。ボルシアMGとの2試合2分が波に乗り切れない今のチーム状況を物語っている。前線の動きがなければ、中盤より後ろがプレスの餌食になるのは明らかであり、トップ下がボールを受け取れないのであればポグバをそこで起用すべきだろう。
カイペルス主審 6.5
選手がエキサイトするシーンもあったが、近くでよく見た上でジャッジを下しており、VTR を見れば彼の判断が正しいものだったと認められるはずだ。